グラノベッター「弱いつながりの強さ」の実感

人脈が大事。
たくさんの人とつながっておけばいつか役に立つ。
いちおう社会学的には正しいことになっている。

マーク・グラノベッターが1973年に書いた論文。
当時の就職活動に着目して調査したもので、
有用な情報は、強い結びつき(家族や親友)ではなく、
弱い結びつき(ただの知人)から得られる
という内容。

というわけで、仲の良い友人をつくるよりも、
とりあえず名刺交換をしたりやSNSを通じて、
なんとなくつながっておいた方がお得ってことになる。

たしかに「知」の方法としては正しい気がする。
幅広い分野に関心を広げておけばどこかで創発する。

でも「人間関係」についてはどうなのか?
多様な情報を効率的に手に入れるためのつながりは、
「生きがい」や「幸福感」には無縁のような気がする。

たとえば仕事を例に考えてみる。
中小企業白書2014」の統計データによると、

  • 全企業の99.7%が中小企業
  • 全従業者の66.0%が中小企業の社員

中小企業の組織は企業のトップと社員との距離が近いから、
基本的には師匠と弟子の関係で成り立っているのでは?

だから日本人にとって仕事とは、お金のためだけではなく、
人として成長する機会を提供してくれる修行の場であり
仲間と協力を通じて家族がもう1つできるようなものなんだ。

こうしてふたたび「弱いつながりの強さ」に戻ると、
「脈」を打たない名刺交換だけの「人脈」なんて…。
まぁ人の心はうつろいやすいものだから、
傷つきたくなければ、弱いつながりで群れるのが賢い。

でも万人と適当に付き合って誠意の欠けた人生を送るよりも、
誰かを信じることのできる人生の方が価値がある
と思う。