老子と荘子の相対性理論

この記事は約2分で読めます。

中国古典の老子と荘子はセットで老荘思想と呼ばれる。

最近ようやく荘子を読んでみたら、なるほど老子に似ている。

  • 上善は水のごとし(老子・8章)
  • 天下に水よりは柔弱なるはなし(老子・78章)

老子は「水」こそが最善のあり方と説き、
その「しなやかさ」に国を治める方法を求めた。

  • 物に乗じて心を遊ばしめ、已むを得ざるに托して中を養う(荘子・人間世篇)
  • 時に安んじて順に処おれば、哀楽も入ること能あたわず(荘子・養生主篇)

荘子はありのままを受けいれることが最上の生き方であり、
そうしていれば喜びや悲しみが入る余地がないと説く。

老子と荘子の世界認識の共通点

それは絶対的に正しい!って判断基準など存在せず、
その時々の関係性で相対的に変化していくものだから、
ありのままを受けいれ、しなやかに対応すべし!

世界を相対的に捉える思考法は東洋思想の特徴で、
たとえば仏教の経典「般若心経」の有名な一説には、

  • 色即是空、空即是色(般若心経)

私たちが知覚する現象はすべて「空」であり、固定的な本質はない。
だが「空」であるがゆえに縁で結ばれ、あらゆるものが生まれてくる。

だいたいの意味はこんな感じだ。

そして絶対性を求めた西洋との違いを簡単にまとめると、

  • 西洋…真理はロゴス(論理・理性)に宿る
  • 東洋…カオス(混沌)は命が生まれる源

日本の「あいまいさ」や「間を大切にする心」って特徴も、
おそらく東洋思想の系譜を受け継いでいるんだろうね。
でもなんとなく日本は最近おかしくなった気もするのだけど…

コメント