無縁を望んだ象徴が神のかたち

無縁。
世俗と縁の切れた立ち位置は、かつての理想だった。

どこの共同体にも属さず、主従関係などもない無縁
ふと考えれば、それが日本人が神に託した形でもあった。
特定の場所に常駐することなく、たまに訪れる来訪神
また七福神が異形の神々の集まりであることの背景は、

とある共同体で「異形」として追い出さた漂泊者が、
他の共同体へ訪れて「神」とみなされた
ことにありそう。

今では「無縁社会」が社会問題のキーワード。
でも多くの人が、縁にがんじからめになってしまって、
つながりが固定化されていることが問題の深層かもしれない。
今の社会は人々のつながりの仲介者となるような、
特定の色に染まっていない無縁者が少ない気がするから。

たとえば東日本大震災直後のボランティア活動。
多くの人が固定化された縁を飛び出して被災地へ向かった。
被災者にとっては、まさに無縁の領域から来た神様だった。

平時に特定の肩書きを持たず、誰とでもコラボできる人。
そんな人が活躍しやすい世の中を作ることが、
無縁社会の問題を解決する方法のひとつなのではと。