巨大建造物のために森林破壊が進み、文明崩壊へつながる。
その最悪のケースが、モアイ像のイースター島であり、
現代文明の未来への過去からの警告として知られている。
※ジャレド・ダイアモンド「文明崩壊・上巻」が詳しい
7~8世紀の日本でも大規模な森林伐採が起きていた。
法隆寺(607)から東大寺(758)まで巨大な木造建築が続き、
この間、畿内の森林破壊がかなり進んだことが想定される。
奈良時代に干ばつが頻発したのは森林破壊が原因とも。
多くの国では過去の森林破壊がハゲ山として今に残る。
たとえば地中海地域の美の代名詞、白い地表と青い海。
これは雨量が少なく、夏に乾燥する地域での森林破壊の名残。
でも日本では降水量の多さの恩恵で、
ハゲ山にやせた土地でも育つ、アカマツ林が形成されたんだ。
そして松茸は樹齢20~60年のアカマツに寄生する。
古代の森林破壊により、京都近郊の森がアカマツ林へ変容。
松茸が豊富に収穫できるようになり、食卓を潤すことになった。
災い転じて福となす、とはまさにこのことだね。
オマケで奈良時代の経験が生かされたのか、
世界的に見て、日本は森林の大切さに早く気がついたのかも。
戦国時代、武器などに使用される木材の調達が重要で、
大名は「山守」なる山の管理人を定め、森林の管理に腐心した。
その一方、同じ時期の西洋は大航海時代で船を造るために、
森林をバッサバッサと伐り倒し続け、ヴェネツィア衰退の要因は、
森林破壊で木材がなくなってしまったから、とも言われている。
コメント