月の満ち欠けにめぐり逢いを見る(新古今和歌集)

「恋・桜・月」は日本文化形成に不可欠な3点セットだった。
でも「月」が日本人の心の問題になった時期は遅く、
おそらく平安時代後期のあたりから、というのがこの記事。

新古今和歌集(1216年)の月の歌を調べていると、
「月」で「めぐりあい」を詠んだ和歌が目についた。
ざっと10首ばかり抜き出してみると、

  1. 思ひ出では 同じ空とは 月を見よ ほどは雲居に めくり逢ふまで
  2. めぐり逢はむ 限りはいつと 知らねども 月な隔てそ よその浮雲
  3. いくめぐり 空ゆく月も 隔て 契りし中は よその浮雲
  4. 忘れじと いひしばかりの 名残とて その夜の月は めぐり来にけり
  5. 照る月も 雲のよそにぞ ゆきめぐる 花ぞこの世の 光なりける
  6. めくりあひ 見しやそれとも わかぬまに 雲隠れにし 夜はの月かな
  7. 昔見し 雲居をめぐる 秋の月 いま幾歳か 袖に宿さむ
  8. 思ひきや 別れし秋に めぐり逢ひて またもこの世の 月を見むとは
  9. 月を見て 心うかれし いにしへの 秋にもさらに めぐりあひぬる
  10. 雲晴れて むなしき空に 澄みながら 憂き世の中を めぐる月かな

海外では古くから「めぐる月」が「死と再生」に結びつき、
月の神が「不老不死」と関連する神話が数多い。
でも日本では「めぐる月」は13世紀から? なんだろうこの遅さ。