経済効率と美意識

便利や効率を求めるほど、美しさから遠ざかる。
表面的な美しさを手にすることができても何か違う。

荘子が「機心」みたいな感じかな。
便利な機械を使って楽をしよう、得をしようって気持ち(機心)により、 
純白の心が失われると、道を踏み外してしまうよ、という教え。

19世紀フランスの政治思想家トクヴィルは、
貴族制から民主制への変更の過程で、
人々が芸術に求めるものが変わったことを指摘した。

  • 貴族制…生活を美しく飾る芸術を好んで育てる
  • 民主制…生活を楽にするのに役立つ芸術を好んで育てる

後者の道を貫き通すと現代に至るわけで。
格差が叫ばれてはいるものの、本当に豊かな人は数少ないから、
後世に残るような優れた芸術作品は出てきにくい時代なのかも。

ブランド戦略などと言って商品の背景に物語を演出したとしても、
かつて職人の手仕事にはあった「命の宿った美」には届かない。

先月、急に持ち上がった今年のテーマ。
骨董品をぼんやり眺めて、はるかなる時間の流れを感じる…
贅沢ってそんな感じなのかな。「曜変天目」欲しいなぁ。

コメント

  1. 使い続けていて、アジワイガ出てくるようなもの。
    自分が過ごした歴史がその中にくわえられていくように愛着の湧く品物。
    そういう品を持つのは、こころの贅沢だし、豊かな時間になりますね。

  2. まろ@管理人 より:

    「人間は一般に「現在あるがままにある」ことだけでけっして満足しない。現在の存在が歴史性によって支持されてはじめて満足する。人は自分が古さによって認知されることを欲する。」
    ---今村仁司「社会性の哲学」
    古いモノのありがたみが増す、というのはおそらくこういうことなのでしょうね。