語源に学ぶ「しあわせのかたち」

中島みゆき」にこんな一節がある。

縦の糸はあなた 横の糸は私
逢うべき糸に 出逢えることを
人は 仕合わせと呼びます

「しあわせ」の語源を意識した素敵なフレーズ。
玄侑宗久しあわせる力を参考に由来を簡単に紹介すると、

為合わせ(奈良時代)
 私がすることと、誰かのすることが合わさる。
 当初の誰か(相手)とは、天。

仕合わせ(室町時代)
 相手が天ではなく、人間に変わった。
 人と人との関係がうまくいこくことを「しあわせ」と呼んだ。
 ※「試合」もかつては「仕合」と書いていた。

さいわい
 語源は「さきわい」。にぎやかにいろいろな花が咲いている状態。

経済学は人の幸せ(効用)は消費量に比例して増加する、
みたいな主張してきたけど、そんなのは間違えだった。

経済史からわかる驚くべき事実は、物質的な豊かさや、子供の死亡率の低下、成人の平均余命の延長、不平等の改善などが実現したにもかかわらず、現代人は狩猟採集時代の祖先に比べて、少しも幸福になっていないことである。
--グレゴリー・クラーク「10万年の世界経済史」P38

経済的な豊かさは人生の自由度が増すだけで、
それが幸せにつながるかどうかの話はまた別問題。

私たちは「足るを知る」ことがむずかしい生き物だから、
経済的な豊かさがもたらす幸せは、
いつも少しだけ先にあって手が届かない。

他者と仕合うことがうまくいった、そういうことでしあわせを感じる。他者の振る舞いと合わさって、思ってもみないことが起こり、その巡り合わせを楽しいと思った。本来の日本人が感じる「しあわせ」というのは、そういうことだったのではないでしょうか。
--玄侑宗久「しあわせる力」P111

本当の幸せは「お金」どうこうではなく、人と人との間にある。
偶然の積み重ねにすぎない人生に、運命を感じるような出会い…
そんな瞬間にたくさん出会えるのが本当の幸せ。
わたしたち日本人は昔からそのことを知ってるはずなんだよね。

※関連記事…偶然の美しさと運命の出会い(12/06/17)