白洲正子「西行」

独断と偏見で「日本を創った偉人」を選んで簡潔にまとめて紹介する。
そんな野望があり、昨年末から足利義政紀貫之の編集を試みた。
次は「西行」に挑戦すべく、関連本をかき集めて頭の整理中。

  • もともとは鳥羽院に仕える武士(平清盛と同い年)
  • 和歌に精通し、藤原俊成(定家の父)と交流があった
  • 出家後、全国を旅しながら和歌を詠み続けた

西行の3つの顔が日本文化史上、極めて重要なのだ。
貴族の「あはれ」と武士の「あっぱれ」の間にいた人物なのだから。

和歌しか遺さなかった西行の旅路を追いながら、その人生を追う。
というスタイルで書かれた、西行に興味を持ったら必ず読みたい本。
また23歳という若さでの出家理由に新たな説を唱えた逸品でもある。
待賢門院璋子(藤原璋子)への届かぬ想いゆえの出家…。※系図

桜を愛し、200首以上もの桜の和歌を遺した西行。
もしかすると桜に待賢門院の姿を映し、想いを込めていたのかもしれない。

ねがはくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月の頃

この歌の願いどおり、桜咲く3月下旬に西行は亡くなった。
その死によって、彼の美学は完成するのだ。

西行の真価は、信じがたいほどの精神力をもって、数寄を貫いたところにあり、時には虹のようにはかなく、風のように無常迅速な、人の世のさだめを歌ったことにあると私は思う。」P294

西行西行
(1996/05)
白洲 正子
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