現代に通ずる日本文化の原型のほとんどは室町時代に生まれた。
水墨画、和室、庭園、能、茶道、華道などなど…。
でもこれら文化を創造したのは貴族でも武士でもなく、
「阿弥」号を称した足利将軍のアミーゴ集団「同朋衆」だった。
(踊り念仏、一遍の時宗の信者が「阿弥」を名乗ることが多かった)
もっとも有名なのは足利義満時代の観阿弥、世阿弥。
でも「.comバブル」ならぬ「.amiバブル」がピークに達したのが、
史上最悪の政治家であり美学の英雄でもある足利義政の時代。
- 善阿弥(作庭)
- 立阿弥(華道)
- 音阿弥(世阿弥の甥)
- 三阿弥(能阿弥、芸阿弥、相阿弥の目利き三代)
同朋衆は日明貿易で輸入される美術品(唐物)の目利きにはじまり、
自ら文物を生み出し、さらには人物の評価もしていったという。
ちなみに茶道の系譜は「村田珠光→武野紹鴎→千利休」だが、
能阿弥が義政に珠光を紹介したことで茶道に光があたる。
目利きという観点では、義政もただ者ではない。
たとえば善阿弥は「河原者」と呼ばれる社会の最下層出身。
階級に関わらず、実力本位で人材を登用していった。
- 狩野正信(狩野派の祖)
- 正徹(歌人、古典研究者)
を抜擢したのも義政だった。
「人間みな平等」を実践した、この時代では世界でもまれな将軍。
応仁の乱を招いた無能な将軍は、なぜか文芸になると天才に…
「.amiバブル」の仕掛け人、義政の時代はまさに日本のルネサンス。
不思議なもので文芸振興は東西同時。
- レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519年)
- 足利義政(1436~1490年)
日本にとっての義政は、西洋のダ・ヴィンチに匹敵すると思うけど、
応仁の乱のせいで全く評価されてなくて、とっても悲しい状況。
本を読みたいと思っても、ドナルド・キーンの著作くらいしか。。。
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