英語に食われる言語や文化、そして生物も?

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世界には現在、約6,000の言語が存在しているらしい。

そして21世紀中にその8割以上が消滅する…。

  • 豊かさを求めて都市部に人口が集中
  • 政治的統一を図りたい国家の強制
  • 通信手段の発達(インターネットなど)
  • 英語が世界全域に流通する言語となった

といったところがその背景だろう。

支配的な言語のもとに経済的な利益が集まるものだからね。

20世紀後半のアメリカの繁栄とGoogleのセットは強烈だった。

でも、言語の多様性は文化の多様性の裏返し

そして世界の文化の平均化・均質化は創造性の敵だ。

確立された完全な対称の中に、部分的で偶発性のものでない破壊が突如として生ずることがある。この破壊はすでに形成されている平衡を複雑にする。このような破壊が厳密な意味での反対称である。反対称は、結果として反対称が生じた構造あるいは組織を豊かにする。すなわちこれらに新しい特性を与え、より高度の水準に移行させる。

---ロジェ・カイヨワ「反対称」

またダニエル・ネトルとスザンヌ・ロメインの共著、

消えゆく言語たち」にはちょっとおもしろい指摘がある。

言語と生物の多様性が存在する地域が重なるのでは?

生物多様性を語るなら言語の多様性を忘れるな!と。

生態系のみの主張はどうにも怪しい。

言語や文化を交えた議論が必要なのかもしれない。


オマケで企業経営について。

一部の日本企業が「社内公用語を英語に」と打ち出している。

もし商品・サービスの背景に日本の特徴があるなら自殺行為。

言語を捨てることは、文化を捨てることと同じなのだから。

ムダに長い日本語の社内文章の1枚目に英語の要約文を付ける、

みたいな運用で、文化を守り、創造性を育む工夫が必要だよ。

参考文献

・ダニエル・ネトル&スザンヌ・ロメイン「消えゆく言語たち」

水村美苗「日本語が亡びるとき」

松岡正剛「空海の夢」(カイヨワの引用)

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