2017-07

日記と雑談

人工知能は既得権益を破壊するだけ

人工知能が人の仕事を奪う。昨年あたりから経済誌などでこの手の題の特集が増え、本屋へ行けば類書が平積みで並んでいる。 しかし昨年6月に経済産業省が発表した報告書によると、2015年時点ですでにIT人材の...
世界を読み解く方法

中心を持たない国/河合隼雄「中空構造日本の深層」

日本の歴史文化の特徴として「中心がない」ことが指摘されることが多い。 心理学者、河合隼雄もまた「古事記」を読み込むことで、同様の考えに辿り着いたことが「中空構造日本の深層」に記されていた。 「わが国が...
文化で読む日本経済

奈良・平安時代に貨幣経済が定着しなかったワケ

日本で本格的に貨幣が鋳造されたのは8世紀前半。でも物々交換から貨幣経済へ以降を始めるのは14世紀頃。 なんでこんなに間が空いてしまったのか?その原因は急激なインフレと貨幣政策の失敗にあるようだ。 日本...
文化で読む日本経済

格差解消のための徳政令/岩波講座 日本経済の歴史

岩波書店から全6巻の「日本経済の歴史」の発行がはじまり、今月発売の第1巻(11世紀から16世紀後半)を読み始めた。 借金帳消しの「徳政令」は格差解消のためだったという話から、頭の中でいろいろつながった...
「時」を読み解く

長田弘「人生の特別な一瞬」

以前たまたま手に取った食に関する詩集が面白かったので、 食の詩集。長田弘「食卓一期一会」。 たまに図書館で著者の本を借りてきて読んでいる。 昨日書いた記事のつながりで、 目先の快楽に溺れるのが人間の性...
人生の哲学と科学

目先の快楽に溺れるのが人間の性であるならば

いつからか私たちは未来の豊かさや安心のために、現在を貯蓄・投資する生き方が正しいと考えるようになった。 しかし終身雇用や年功序列のようなレールが敷かれた人生設計が崩壊し、また東日本大震災を体験したこと...
兼好法師「徒然草」

世間の評価はどうでもいい/徒然草38段

自己評価はむずかしい。だからといって他者との比較や世間からの評価に振り回される人生は愚かだ。兼好法師は「徒然草」のなかで次のように斬り捨てる。 「名利に使はれて、閑かなる暇なく、一生を苦しむるこそ、愚...
お薦めの本

3.11後を描いた本を読むならこの2冊

東日本大震災後に様々な書籍が出版され、数多く手に取ったが、日本人著者が語るとどうしても主張が偏りがちになる(特に原発問題)。なにか部分ばかりで全体が見えなくなってしまうような違和感がある。客観的・中立...
投資や経済の話題

特に目新しい投資法ではないESG投資

世間ではESG投資が盛り上がっているように語られている。だが長期投資家がごく当たり前に行う思考回路に、新たな切り口が登場しただけと考えることもできる。 ESG投資は財務情報に加えて企業を3つの要素で評...
世界を読み解く方法

知性の限界を超えるための「不立文字・教外別伝」

禅の「不立文字・教外別伝」とは? 禅の教義を特徴を表した言葉として、 不立文字(ふりゅうもんじ) 教外別伝(きょうげべつでん) 直指人心(じきしにんしん) 見性成仏(けんじょうじょうぶつ) という4つ...
日本の歴史と文化

イギリス人植物学者が見た日本/ロバート・フォーチュン「幕末日本探訪記」

1860年、植物採集旅行へやってきたロバート・フォーチュン。植物を通じて見た日本文化に関する記述が興味深い。 園芸大国だった幕末の日本 今では園芸を楽しむことを「ガーデニング」と呼び、本場はイギリスの...