2012-12

日記と雑談

2012年の人気記事

古典的名著の編集記事がGoogle検索の上位にくることが多く、 今年書いたものでアクセス数の多かったのは順に 花は散るからこそ美しい-世阿弥「風姿花伝」 世界を読み解く方法-デカルト「方法序説」 「考...
万葉集

言霊信仰/古事記を読む・4

無文字社会の古代日本では言葉の威力が極めて強かった。 人が口から発する「音」に霊力が宿るという考え方だ。 敷島の 倭の国は 言霊の 助くる国ぞ 真幸ありこそ (日本は言霊が助ける国。私が「ご無事で」と...
日本の美意識

西行「山家集」の月恋歌より10首

経済系の学問が過去の数字を説明しているだけと悟って以来、 日本を読み解く方法を歴史の中に探し求め続ける日々。 今年の春、日本人が桜へ込めた想いを追っていくなかで、 日本の文化・精神史における転換点にい...
日本の神様と昔話

敗者復活が日本の母型/古事記を読む・3

黄泉の国から「よみがえる」ではないけれど、 古事記には「敗者復活」の物語が数多く散りばめられている。 例をあげると、 イザナキ・イザナミの国生み(最初の出産は失敗) 高天原を追放されたスサノオがヤマタ...
日本の神様と昔話

トップ不在の創世記/古事記を読む・2

突然の気まぐれではじめた「古事記を読む」シリーズ・パート2。 創世記において、今の日本と変わらないなぁ…と苦笑いなのが、 国作りのトップが誰だか分からない 意志決定が合議制で責任の所在があいまい って...
日本の神様と昔話

ヤマタノオロチのメタファー/古事記を読む

どんな文脈で語られた言葉か調べきれなかったけど 「12,13歳くらいまでに民族の神話を学ばなかった民族は、例外なく滅んでいる。」 20世紀の歴史学者、アーノルド・J.トインビーがこう語ったという。 神...
日本の歴史と文化

梁塵秘抄の変遷/音読社会から黙読社会へ

今年の大河ドラマ、平清盛はあまり人気がなかったようだね。 いまだ「平家物語」の封印が解けず…敗者の歴史はそんなものか。 さて大河のメインテーマに織り込まれた歌から話を少し広げてみる。 遊びをせんとや生...
お薦めの本

米長邦雄「人間における勝負の研究」

私の中では将棋と言えば羽生善治さんだけど、 もう一世代前だと今週亡くなった米長邦雄さんなのかな。 追悼がてら本棚にあった米長さんの本を読み直してみた。 勝負の三要素は確率・勢い・運にあると説き(P27...
しあわせのかたち

語源から読む日・米・仏の職業観

そうか昨年、こんな記事を書いたのか。 何のために働くのか?(11/07/21) なるほどあえて理由を語るなら、今もこんなとこかな。 でもその後、私の信念はもう少しぶっ飛んで、 そもそも人生に意義や目的...
お薦めの本

読んだ本と振り返る2012年/偶然とリスクの諸相

思いのほか快速でノロウイルスを撃退し、選挙も無事投票。 でも昨日の「いい会社をふやしましょう」のシンポに欠席は無念。 これで私にとっての2012年はほぼ終わりかな。 そんなわけで毎年恒例の読書のまとめ...
日記と雑談

芸術誕生の系譜(西洋と日本)

モリス・クライン「数学の文化史」という分厚い本を読み始めた。 リスク管理の系譜を探求するためだったけど、別な面でおもしろい。 「ギリシアの数学者たちは厳密な推論で結論をうることを強調するあまり、実際問...
食文化と美食探訪

赤坂ランチマップ/2004~2012

赤坂。 私にとってランチの付き合いが最も長いのがこの街だ。 より大きな地図で 赤坂ランチマップ を表示 そういえば私が初めてこの街でご飯を食べたとき、 まだTBS前の赤坂サカスやミッドタウンの姿はなか...
お薦めの本

岡倉天心「茶の本」の美文集

「不完全の美」をテーマにした昨日の記事を書く際に、 編集の過程でこぼれ落ちてしまった美文をまとめて紹介。 "Tea is a religion of the art of life. The beve...
日本の美意識

岡倉天心「茶の本」を「不完全の美」で要約・編集

不足の美、未完の美、余白の美。そして引き算の美学。 日本文化を語る上で、決して外すことのできないキーワード。 たとえば枯山水庭園は、水を感じることで心の中で完成する。 こうした日本の美意識を「茶道」を...
食文化と美食探訪

自由が丘ランチマップ/2004~09、2011~12

この街とは長い付き合いになったもの。指折り数えれば6年超。 2年間のブランクの後に帰還し、再び美味しいランチを探す日々だ。 復帰後の最新情報を踏まえてお店情報を更新したよ♪ 自由が丘はイメージとは裏腹...
日本の美意識

主客未分の日本的感性/西田幾多郎「純粋経験」

デカルトの世界を読み解く方法の出発点は「我思う、ゆえに我あり」。 人の意識をあらゆる物事の基礎と捉え、主観と客観を切り分けた。 そんなデカルトを意識したのか、西田幾多郎(1870~1945)は、 主観...
しあわせのかたち

人はものづくりを通じて自己の存在を確認する

コーヒーの歴史で触れたナポレオンの「大陸封鎖令」。 イギリスが植民地生産した砂糖やコーヒー、タバコなどを 西欧諸国が輸入しない、って当初は各国の足並みがそろった。 ナポレオンは教会権力など既得権益から...
世界と日本の経済史

コーヒーとブラジルの経済史

どういう訳か止まらなくなってしまったコーヒー語り。 イギリス、フランスと続いたコーヒーの歴史・3部作のラストは、 コーヒー豆の産地と言えばここ、ブラジルの話で終わりにしよう。 ナポレオンの大陸封鎖令と...
世界と日本の経済史

コーヒーがもたらしたフランス革命とナポレオン失脚

前回に引き続き、歴史を動かしたコーヒーの話だよん。 フランスにコーヒーがやってきたのはルイ14世の時代(1643~1715)。 オスマン・トルコが外交手段としてコーヒーを献上したのがきっかけ。 だから...
世界と日本の経済史

コーヒーは大航海時代のGoogle

戦国時代、信長は家臣の関心を土地から茶器へと転換させた。 名器でいただく一服のお茶が戦国の世を動かす原動力になっていた。 でもスケールの大きさでは、茶道はコーヒーにかなわない。 コーヒーは当初、今のよ...