2012-11

日本の美意識

グラデーションの日本美

春は桜から新緑へ、秋は紅葉。 四季の恵みは日本人の色彩感覚も豊かにしたのかな。 色と色の「間」の「あわい」表現の数がハンパない。 和色大辞典 色だけではなく、水墨画や枯山水あたりからはじまる 光と影の...
日本の美意識

うつしの美学/夏目漱石「草枕」

夏目漱石。 当時の先進国に学ぶべく、文部省の命でイギリスへ留学するが、 英文学研究への違和感から、精神に異常をきたして帰国。 帰国後に「我が輩は猫である」を執筆し、文豪への道を突き進む。 自信満々のイ...
古典に学ぶ人生論

料理も人生も「淡い味」がいい/菜根譚・前集7、後集25

明朝末期の随筆集、洪自誠「菜根譚」。 中国では注目されず、日本の儒者が編集・刊行し今に残る。 料理に絡めた人生訓を読むと、なるほど中華より和に近い。 まずは前集7項より。 醲肥辛甘非真味。 真味只是淡...
世界を読み解く方法

世間と距離をおき、視点を変える。

幼い頃から奇行が目立ち、協調性に欠ける。。。 私の人生にとっては成功と幸福を呼び込んだ愛すべき特徴で、 世間から変人や宇宙人と呼ばれることを誇りにしていた。 でも体調を崩したり、東日本大震災が起こった...
日本の歴史と文化

万葉仮名の伝統。ラモス瑠偉、キラキラネーム…

古代日本の漢字との出会いからグローバル化を考えた 漢字と出会った日本の選択/グローバル化の日本史 この頃の「万葉仮名」的な感覚は日本の伝統として残ってる。 漢字一文字に和音をあてた万葉仮名の具体例を紹...
日本の美意識

花鳥風月の風は秋色

その起源は憂いに満ちた心を出入りしていた「花鳥風月」。 でも安土桃山時代以降、花鳥は障壁画、蒔絵、着物に舞い降り、 「花鳥の使い」が持っていた、あでやかな色合いを取り戻す。 そして今では、花鳥風月に関...
日本の美意識

花鳥風月の来歴。杜甫の春望からはじまった?

花鳥風月。 日本の風物を表す代表的な言葉として誰もが知っている。 ところで起源はどこにあるのか? 中国、唐・玄宗皇帝の時代(712~756年)、 天下の美女を選ぶために派遣した使者を「花鳥の使」と呼ん...
道元「正法眼蔵」

無欲にして万物の妙を見る/道元「身心脱落」

無欲であれば万物の本質(妙)に迫ることができるが、 欲があればその表面上の形(徼)に触れることしかできない。 「常に欲無くして以て其の妙を観、常に欲有りて以て其の徼を観る。」 老子の冒頭で語られた金言...
日本の歴史と文化

菅原道真の和歌漢訳/グローバル化の日本史・2

当時の状況(無文字社会・人口構成)から考えると、 漢字と出会った日本人の行動が不思議、というのが前回の話。 漢字に独自の編集が加えられて誕生した「万葉仮名」をもとに、 平安時代には「仮名文字」へと変化...
日本の美意識

無常が日本の古典を美しくした/唐木順三「無常」

日本の無常の系譜を描いた名著、唐木順三「無常」。 でも絶版で古本の入手も困難だから、読みたくなるたびに図書館へ。 お願いだから復刊してよー、筑摩書房さん!※追伸…今はKindleで読める 「無常を語る...
日本の歴史と文化

漢字と出会った日本の選択/グローバル化の日本史

近年の日本は「グローバル化」という言葉を前にすると、 「グローバル化=海外のグローバル・スタンダードに合わせる」 ってイメージにとらわれ、自虐・思考停止になるのがよくないトコ。 本来、グローバル化には...
IR情報等から企業を見る

いいCSRレポートの見分け方(個人投資家の視点)

私は自分が何者なのかサッパリ分からないけど(笑)、 「CSRレポートを読んでいる、とても珍しい個人投資家」 と認識している方もいるようで、今日も少しだけ話をしてきた。 有価証券報告書みたいに法律で形式...
投資の賢人に学ぶ

億万長者の雪だるま&本多静六の幸福論

成功が成功を呼び、雪だるま式に成功をおさめる「マタイ効果」。 そういえば名だたる億万長者は、決まって「雪だるま」を例にする。 "Life is like a snowball. The importa...
日記と雑談

成功は雪だるま式に…ロバート・マートン「マタイ効果」

新約聖書のマタイによる福音書の一節に "For to all those who have, more will be given, and they will have an abundance; ...
古典に学ぶ人生論

今を信じることの大切さ/僧璨大師「信心銘」

中国禅の系譜は「達磨大師→慧可大師→僧璨大師」と流れる。 僧璨大師が残した、心を信じることを説いた銘文「信心銘」。 戦前の禅の研究者、鈴木大拙が、 「堂々たる哲学詩であり、禅旨の大要はこれで尽きている...
社会や政治の問題など

なぜ生態系を保護すべきなのか?

生態系の保護を唱うキーワード「生物多様性」。 興味を持って生物学に触れてみたら、訳が分からなくなった。 これまで書いた記事を編集しながらまとめると、 知性の限界-ユクスキュル「環世界」(12/06/0...
兼好法師「徒然草」

真の専門家とは?/徒然草167、168段

専門的な知識・経験を得ることで、失われる無知の知。 自説を否定されるような真実から目を背けがちになる専門家。 → 専門的な知識・経験と無知の知(12/10/27) そういえば真の専門家のありかたが「徒...
偶然とリスクの諸相

盗難で一変した「モナ・リザ」の評価

レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作「モナ・リザ」。 この絵が名画と呼ばれるようになったのは20世紀に入ってから。 ある事件が起きるまで、ルーブル美術館が所蔵する絵画の中では、 ラファエロやティツィアーノ...
お薦めの本

羽生善治「直感力」

守破離。 既存の型を守り、型を破って外に出て、型を離れて新たな型を生む。 「離」の局面で必要なものは? 学習の高速道路。 ネットの進化によってひかれた「知」の高速道路。 走り抜けた先の大渋滞で、烏合の...